防疫体制?

先日の「サンデー毎日」の記事の続きです。

世界中は、患者を治癒する「医療体制」だが、この国は患者を治すための医療ではなく、日本社会を感染症から守る国家「防疫体制」でコロナに対応している。防疫は保健所が核になる。

検査の主体であり、陽性者を感染症指定医療機関と調整して入院させるのも保健所だ。明治以来の旧内務省・衛生警察の基本思想がそのまま生き、通常医療とは別の枠組みからなっている。

感染爆発で問題となるのは、入院調整、ホテル療養への対応。保健所がパンクするのは時間の問題だ。しかし、入院のハードルを上げれば、入院調整の負荷は大幅に削減される。ホテルはガラガラだから、ホテル療養を増やせば良いものを、原則自宅療養として、医師会に在宅診療を丸投げした。ホテル療養での保健所の負担も軽減される。

そこに患者目線はない。医療体制と違い、防疫体制は患者の自由裁量が無く、人権侵害の訴えが出来ないようガチガチに法律で固めている。感染症法とはそういう法律だ。それが医系技官、感染研、保健所の利権をもたらしている。

昨年6月に自民党で感染症法を抜本改正すべきとなったが、厚労省が大反対した。役人の抵抗である。法に「国民が治療を受ける権利がある」と明記すれば良い。強制ではなくサポートという事を書けば良い。メディアが全くそういう指摘をしない。国会記者クラブは厚労省ベッタリで、作られた世論が国民に刷り込まれている。

問題の本質は、患者無視で国家防疫を最優先した厚労省・感染研・保健所による体制にある。この体制ではパンデミックには対応できない。今こそ他の先進地並に患者の健康を最優先、現場で自律的な調整が可能な医療を中心とした体制にすべきだ。(終)

湯崎知事と福山市市長のオンライン会議

「宿泊療養施設を県内に3千室確保しようと動いている開設準備も行っていますので態勢を整備していきたい」と、湯崎知事は言っているようだ。福山市は最初から不足していたようだが、広島市の受け入れホテルは、以前からガラガラ状態が続いている。今の防疫体制を理解して言われているのか、はなはだ疑問である。

高市情報は、もう少しデーターが揃ってから書きますよ。二階派は、予想通り混乱していますから【笑】

お勉強しましょう

久留米大学医学部免疫学講座トップページ (kurume-u.ac.jp)

[75版への追記箇所] :「(13) 抗体の役割は?」の章の「抗体陽性の意義」への追記。より

国立感染症研究所から興味深い研究結果が2021年7月2日に報告されました(Moriyama S, Immunity 2021, 7/2)。

新型コロナウイルス感染により作られ始めた中和抗体量は2~4か月後から急激に減少するようです。この減少は、軽症者に比べて重症者に強い傾向があるようです。しかし、ご安心ください。

中和抗体の量の減少に伴い、一つ一つの抗体が持つ新型コロナウイルスに対する効力は10か月かけて増強されて行くことが報告されています。

つまり、新型コロナウイルスとの実戦経験をもとにB細胞軍が成熟し、戦法が「量から質」へと変化し、少数精鋭部隊に最終的には置き換わると考えてよいのかもしれません。

また、少数精鋭部隊は非常に頼もしい限りで、質へと変化した抗体は「ブラジル由来変異株(ガンマ株)」や「南アフリカ由来変異株(ベータ株)」に対しても効果が発揮できると報告されています

国立感染症研究所(量より質)および米国エール大学(量より速さ)からの報告は、「抗体の効力は量だけでは判断できない」事を教えてくれています。

ワクチンは二回の接種から10ヵ月かけて増強し、変異ウイルスにも効果を発揮します。

この久留米大のサイトをみれば、コロナの疑問がほぼ解けます。お時間があればお読み下さい。かなり時間が掛かりますが、サンデー毎日の方には、特にお勧めしますよ(笑)