不作為

今年の3月議会、私の最後の一般質問内容の一部です。

③   医療崩壊について   欧州では、人口10万人当りの累計死亡者数が約100人。日本は2.4人で約1/40。これで医療崩壊なら欧州は死滅している。他方、病床数は、OECD平均の約3倍で世界一。人工呼吸器は、45,000台を保有。何故、これで医療崩壊なのか?

1つ目の原因は、医者の数がOECD平均の70%弱だということだ。

2つ目は、医療法の制約があり、都道府県知事が医療機関に支持命令が出来ないからで、医師の招集義務にも罰則規定が無い。全国平均では対象病床使用率は約50%。和歌山県等は5%なので、近隣の県から移送すれば良いと思うが、医師法では知事の権限が無いから無理。

3つ目は、公立病院の数が少ない日本の特殊事情がある。日本の医療機関数は先進国では突出して多いのだが、そのうち公立病院は20%しかない。ヨーロッパでは、60~90%が公立病院。 アメリカは22%だが公的な医療保険が整備されていない。日本は国民皆保険制度で、国が医療費の7割以上を負担するのに、民間病院が、これほど少ないのは何故か?

これは、戦後の復興期、日本は開業医を中心として整備され、彼ら開業医が地域の中で大きな影響力を持っていた為で、各医師会は、医療という高額な既得権益を、安定的に確保するため、医学部の定員増を阻止し続け、公的病院の整備をも阻止してきた。 病床数や検査機器の保有台数が多いのは、このような中小病院が多いためだ。

市のJA総合病院を含む中小の民間病院を体制の中に如何に取り込むかが、我が市の医療崩壊を防ぐ決め手となるが、市の考え方を問う。(一般質問終わり)

現在、民間医療機関ではコロナの病床確保に協力するとして、多額の補助金(一床当り最大1,950万円)を貰いながら、患者の受け入れを拒否し続けている民間病院が多く存在している。これが、発症者がたらい回しにされる理由の一つなのです。 

花田紀凱氏の週刊誌ウオッチングでは、「政府分科会の尾身会長は、都の人手を5割削減するように訴えた。しかし、日本医師会などに、欧米と同程度の受け入れ態勢を求めるのが先ではないのか。我々が負わされているのは、ひとえに政府や専門家が、医療体制の整備をさぼって来たツケだ」と。

怒りが湧いてきませんか?