憲法の一般質問 2

(2)日本は、憲法改正のために、世界で最も厳しい壁がある。

伊勢神宮

ご存じのように、衆参それぞれの総議員数の2/3以上の賛成が必要であり、その上、国民投票で過半数の賛成も必要。

改正には日本と同じような厳しい要件があると言われている米や独は、定足数(過半数以上の出席)の2/3であり、実質国会の1/3以上の賛成があればよく、いずれの国も国民投票はない。また、諸外国の実態を見ても、憲法は決して変えてはいけない不磨の大典ではない。

同じ敗戦国である独は、1949年の憲法制定以来59回の改正、イタリアは1947年の制定以来16回。また、米は18回、仏24回、スイス23回、ノルウェーは200回以上であり、日本のように、先進国で一度も改正されていない憲法は珍しく、憲法制定以来変わっていない世界最古の憲法と言える。

また、日本の憲法は世界に誇る平和憲法などと言われているが、その平和条項を持つ国は、成文憲法保有国188か国中98か国(52%)もあるので、平和憲法は、我が国の専売特許ではない。

「戦争放棄」も、イタリアとアゼルバイジャンにあるが、共に兵役の義務がある。

「侵略戦争の放棄」も、ドイツや韓国等にあるが、共に軍隊を持ち、兵役の義務がある。

集団的自衛権を否定し「永世中立国」と言われるスイスは、徴兵制のもと国民皆兵の国である。各家庭は個別に自動小銃を所持し、家屋の99%に核シェルターがあり、駅や公共施設の地下にも、千人単位を収容保護できる核シェルターが配備されている国。有事の際には、兵士だけでなく国民全体が国防に従事する義務がある。しかし、強い愛国心により、米のような銃による犯罪は少ないといわれている。

コスタリカは、確かに軍隊を持たない国だが、ジェラシックパークという恐竜映画の舞台になった程の、ジャングルと麻薬の国であり、軍事クーデターを起こさない為に国軍を廃止しただけで、警察が戦車やロケット砲を持ち、日本のように米軍が駐留して、有事には徴兵制が規定されている。

9条の会などが、能天気にも現憲法をノーベル平和賞にしようと運動しているが、中国と韓国以外に、世界の誰も相手にしないのは、こういう理由からだと思う。

むしろ、9条2項のように、国家と国民の自然権である自衛権まで放棄すると解釈される「戦力不保持と交戦権否認」の条項は、国家経営や国民の安全上の重大な欠陥であり、近隣の好戦的な独裁軍事国家である中国・北朝鮮や、IS等のテロ集団につけ入るスキを与える危険極まりないものである。

今日の我が国を取り巻く内外の諸情勢は、戦後70年を経て劇的な変化を遂げている事は、皆さんも充分認識されていると思う。

すでに、現憲法の制定時には、想定もされなかった事態。例えば、環境保全の問題や、加害者の人権ばかり言われて、被害者の人権は全く軽視されている問題、東日本の震災や、今回の口永良部島の噴火にも言える事だが、緊急事態に対する法律も整備されていない。

多くの国では緊急事態に、強い大統領権限が与えられ、「緊急事態宣言」を出して、国会の予算措置を待たずに、被災地に予算を使ったり、国会議員の選挙を延期したりできるが、我が国にはそれが無いため、手続きに時間がとられ、迅速な対応が出来ずに、救える命も救えなくなる事態が想定されている。

また、今後想定されるであろう あらゆる事態への適切な対応も、これから益々求められる状況にある事は論を待たない。

しかし、戦争の放棄を定めた憲法の平和主義の精神は、変える必要はないと思う。

憲法とは、その国の在り方そのものである。

自衛隊の皆様には、将来にわたっての国家・郷土の安全、国民と社会の安心と繁栄、近隣諸国との共存共栄、国際社会への平和貢献などを柱に、日夜頑張って頂いている。この席から、改めて心からの感謝を申し上げたい。

我が国の歴史、伝統、文化に基づく国柄の維持発展と、想定外の事態を決して起こさせない非常時への十分な備えなど、目の前の現実と、時代の変化に対応するために、国家の根本規定である憲法を整備するべきと考えるが、

憲法前文が、大好きと言われた市長の見解を問う。(終わり)

よく調べたら、この文章で一般質問は行っていませんでした。申し訳ないです。これは、一般質問をするための下案原稿です。実際の質問は、もう少し判りやすいものになっていますが、趣旨は変わっていません。^^