宮島の鹿についてメールがありました。他県の方だったので、担当課に情報を貰うと「宮島の鹿に餌をあげたい人」のようでしたので、「私は鹿に餌を与えない派です」と返信させて頂きました。
昔の宮島では、島のお爺ちゃん達(氏名含めて誰だか判りません)が定時に、鹿の餌やりをするのがイベントのようになり、その長閑な映像は何度もTVで取り上げられていました。しかし、その人が居なくなり、無人野菜市場のように、ガラスの箱を開けて、お金を払って袋に入った鹿煎餅(・・のようなもの)を鹿にやるシステムに変わったようです。(でも、そのお金がどこに入っていたのか判りません)
それも、いつの間にか無くなりました。
人に慣れた猿や鹿は、餌をやる相当に以前から土産物屋さんの店先のお土産を、猿が集団でかすめ取る、観光客の手荷物を奪い、ポケットの中まで手を突っ込んでくる。鹿も、土産物屋に並んでいる土産の包装紙を食べるし、女性や子供達が食べているものを狙ったり、貰えないと頭で小突いたりして観光客に怪我をさせる事が頻繁にありました。
そこでとうとう、廿日市市は巨大な檻を設置して、人に慣れた(人を舐め切った)危険な猿を一網打尽にして大分の高崎山へ移送しました。しかし、鹿は難しい。
宮島の鹿は、元々島にいたのですが、食糧難の戦時中に全ていなくなりました。(誰がどうしたのか不明ですが・・) そこで、奈良公園から鹿を頂いて今に至る訳です。
鳥獣の専門家に相談すると、人に慣れすぎると人の餌(栄養豊富)により個体数が増えるので管理が難しくなる。最初は難しいが、自然に返すべきとの意見が大半。
そこで、市は宮島島内の鹿の餌やりを禁止としたのです。
確かに鹿は、見た目可愛いです。鹿の存在が観光に寄与している事は充分に認めます。餌をやってみたいって、誰でも思うでしょう。・・餌やりを禁止した当初、鹿達は、見て分かるほど痩せて毛の艶が悪くなっていました。
だからと言って、3桁を軽く超える頭数の鹿達の胃袋を、毎日満たせてやれるのか? 鹿は、観光客への危険が無いように教育出来るのか? しかも、人のやるカロリーの高い餌で増え続ける頭数を、どうコントロールするのか? NOです。出来ません。
今では鹿も落ち着いてきて、観光客から餌を求める事も少なく夕暮れには山へ帰り、頭数の増減も安定しています。
廿日市市にも、鹿が可哀そうだと言って、定期的に鹿の餌をやりをしている方が居ます。今回その人に賛同して、県外から議会を動かそうと、私へメールを送られたようです。
申し訳ありませんが、政治は、酷いとか可哀そうとかいう感情だけでは動きません。議会での結審は、最低でも、「将来を見通した中で、理性的で、より多くの人が納得できるベターな選択」が必要です。
議会は、皆さんの税金の使い方を決める処ですから、議会の決定は議員一人一人の責任の中で行われる非常に重いものです。「政治を情で語るな。政治は理で決断せよ」です。
メールを頂いた方へのご返事でした。
読ませて頂きました。まず、猿の事ですが、大分、高崎山ではなく、愛知県一宮市のモンキーセンターへの移動だったはずです。確認済みです。
鹿達に関しまして、奈良から貰って、檻を造りその中で増やし、檻が壊れる、そしてそのまま鹿達は捕まえられなくなり自然に山などににげ出したと。行政の方も鹿の世話をしていたはずです。聞いております。宮島に鹿有りき、としている間、そして世界遺産になるまでの宮島にいる鹿予算は2.000万円の時もありました。そして、その後400万円、ここ3年程はゼロ円になっています。
税金投入という事は勿論理解しております。ただ、扱いの極端さ、行政の約束である「鹿の芝地増設」など、環境保全が約束通りになされれば、私達も鹿の事を案ずる必要もありません。ここには書ききれませんが、歴史的にも、また、科学的、植物学的、生物学的にも、色々疑問があり調べております。鹿に対する酷い扱いを目の前にした知人。直ぐに飛んで来てくれなかった島の警察。今、現在鹿達が落ち着いて来ているのは、週に一度、この10年間餌やりを続けてくださった方のお陰です。宮島に住んでいらっしゃる老人の方にも歴史、鹿と宮島と人間の関わりを教えて頂きました。そしてなにより、鹿の事ずっと見ている方は、宮島の歴史から、色々ご存知で、聞かせて頂いております。
宮島、包が浦に大きな穴を掘ってゴミを埋めていたのをご存知ですか?
ページがいくらあっても簡潔には…申し訳ありません。
ただ、可愛い、可哀想というだけでの活動を続けているのではありません。
今や世界各国から観光客が来る宮島。世界遺産のある場所として恥じない宮島であって欲しいと思います。
いわゆる,猫おばさんというやつでしょうか.
もちろん,かくださんにメールを下さった人のことを私は知りませんので,決めつけをするつもりはないのですが・・・,むかし,かくださんの掲示板でも,猫おばさんについて話題になったことがあったなぁと,思い出しました.
野良猫に,こそっとえさをやり続ける人のことです.おそらく,心根の優しい人なんでしょう.でも,全体が見えていない.
最近の志村動物園でも,「多頭飼育崩壊」の事例が紹介されていましたよね.
優しさを発揮するのにも,責任が伴う.自分で取れる責任範囲を超えた優しさは,やもすると,他者にとっては暴力にもなりうるのです.
かくださんの真意が,メールをくれた人に届いたらいいなと思います.
こんにちは。
現在の宮島の鹿は戦後に奈良公園から譲り受けたものというものですが、根拠の無いただの噂話だと認識しておりましたが、明確な根拠があってこの部分を書かれたのでしょうか?
この話は「島民の間でそういう噂になっているから」と、ウェブ上で拡散されただけの話だと思っていたのですが。