WiLL5月号P234「岸田総理の天運と鈍感」小川榮太郎書要約
*岸田首相が安保、エネルギー、経済、外交、皇室、憲法にわたり安倍氏の残した宿題を片っ端から実現し続けているのは明白だからである。
*「政治は結果が全て」①春闘は満額回答。②中小企業の買い叩き改善に乗り出す。③次期戦闘機輸出解禁の合意。④憲法改正の改正発議の期限は7月上旬。間も無く岸田総理は、憲法改正という最も危険な球を投げるだろう。岸田文雄は覚悟を決めた。さあ、保守派はどうする。
「岸田政権の経済政策は、財務省の意向に従った大企業優遇政策」に過ぎません。
日経平均株価3万円に乗ったくらい景気は良いはずなのにGDPが伸びていないのは、輸出産業は伸びたけど、GDPの65%以上を占める民需が伸びず、プラマイゼロになったという事でしょう。
(日経平均株価225銘柄の6割強が輸出関連の製造業だから、市場の「どん底感」との格差が大きいのは当たり前)
円安でトヨタ等の大手輸出産業だけは伸びたけど、輸入産業は大打撃。その上、エネルギー自給率11.3%・食料自給率38%の国ですから、輸入するもの全ての値上がりが庶民の台所を直撃しているのです。
それでも景気は上向いているとマスゴミは言いますが、所得の総計(GDP)が増えていないのに税収が伸びたのは、その分だけ国民を苦しめているという事なのです。
「庶民はもっとお金を使え」と、いくら言っても、「使いたいけどお金が無い」のというのが実情。
庶民の生活を守るための経済改革なら、まず消費税廃止が最優先。消費税10%の廃止は、10%の所得を増やしたのと同じ事で、その額は約28兆円。かなりの経済効果を生みます。
そして、春闘は満額回答だったと言われますが、日本の就業者約6千万人のうち、労組に加盟しているのは、たった16.3%の990万人。八割以上の就業者は、「春闘の満額回答」とは無縁だという実態を分かって頂きたい。
小泉内閣の時に決めた「非正規雇用」という枠組みの後、経費削減の余波で、役所等の職員の3割以上は「1年ごとに契約更新する非正規雇用」の人達となりました。
同じ職場で同じ仕事をしても、給与は三分の一の人々が3割も居るという現実。男女雇用均等法より先にしなければならない事があるでしょ? って事です。
前にも書きましたが、令和6年4月現在の国民負担率は45.1%。国民所得の約半分の稼ぎは、政府に奪われているのですよ。首相就任の公約であった「所得倍増宣言」も、どこかに消えてしまった。
その上、去年10月から始まったインボイス制度、未だに外れないトリガー条項など、岸田政権は、財務官僚のポチとなって、国民から富を奪うばかり。
この経済政策だけでも、私は岸田政権を応援する事は出来ません。