タワーマンション。建築基準法20条1項一号では、高さ60mを超えるものとされ、その数値からすれば20階を超えるものをタワーマンションと呼ぶようです。
タワーマンションに限らず、最近多い10階建てのマンションくらいでも、笑えない不思議な上下関係がありますよね。
日本ではマンション低層階より上層階の方が、値段が高いというのもありますが、「プチ勝ち組」感っていうのがあると聞いています【笑】
でも欧米では、犯罪が多くスラム化した街を一新するために、都市計画上、区画整理し道路巾を広げてタワーマンション化する等、美観対策や賃貸住居拡大対策が多いようです。近在では、広島市の白島高層市営住宅群が分かり易い例ですね。
ですから、日本のように上層階専用エレベーターがあったり、上層階専用のスポーツジム・スパ・プール・ゲストルーム・パーティールーム等もありません。
欧米ではそのような設備を使用したり、その維持管理費を支払う能力の無い人達が入居するのですから、日本と真逆の感覚ですが、賃貸物件の値段は低層階が高く、緊急対応が出来ない高層階が安いのです。
10階建て以上の階では、窓は少ししか開きません。30階以上では窓が開かないのが普通です。だから、年中、暑くても寒くてもエアコンが必要。電気代が高くつきます(泣)
タワマン最上階の窓が全開出来たら分かります。瞬間的な爆風で、窓枠は外れてガラスは割れ、人間は吹っ飛びます。地上はそよ風でも、地上60mの上空は小型台風並みの風が吹いていますから。
しかも地震対策は、耐震ではなく免震構造(大地と共に揺れる事で倒れない構造)。東日本大震災時には、新宿高層ビル群の揺れる映像を流していました。
超高層ビルの最上階のレストランのテーブルや椅子、グランドピアノまでも、右へ行ったり左へ行ったり、ゆっくりした動きですが、地震が収まっても免震構造の揺れは一時間くらい収まりません。それをご理解の上で、以下をお読みください。
ご存じですか? 欧米の富裕層がタワマンに住みたがらない「深刻な理由」…!(榊 淳司) | 現代ビジネス | 講談社(2/5) (gendai.media) (抜粋文)
タワマンは災害にも弱い。電力が供給されることが大前提の集合住宅だからだ。
電力供給が途絶えると、エレベータばかりかトイレも使えなくなる。それは2019年の台風19号で、神奈川県川崎市の武蔵小杉の某タワマンで発生した悲劇が物語っている。
例えば大きな地震によって電力供給が途絶え、エレベータが使えなくなるとタワマンの高層階では生活できない。
しかし多くの場合、行政側はタワマン住民のための避難所を想定していない。なぜなら、エレベータやトイレが使えなくなっても、それは命の危険にまでは直結しないからだ。
ある東京都心区の担当者は私の取材に対して「タワマンにお住まいの方が避難所に来られることを想定していません」と明言していた。つまり、タワマンで大きな災害に遭うと、エレベータやトイレが使えない住戸で、生き延びなければならないのだ。
いわゆる頑強さの議論ですよね.
英語で言う「ロバスト」性の議論ですよね.
今の日本には,こと生活やインフラに対して,
「強靭なシステム」
「強靭な国家」
をつくろうとする意識が低いように感じます.
もちろん,その反対の
「緻密なもの」
「繊細なもの」に対してはは得意です.
それでいいことも多いですし,いい目にも
あっています(日本製の製品に対する世界的な
公表かなど).
でも,ものやシステムのつくり方は,
時と場合によるのですよね.
自分の生活や,社会インフラは,高度なもの,
繊細なものよりも,外乱に強いもの,
少々壊れても大丈夫なように,あの手この手で
代替案が出せるようなシステムの方がいい
というのが私の意見です.
最近は,一時期よりも下火になったように
思いますが,「電化住宅」なんていうのが
盛んに宣伝されていました.タワマンも,
おそらくこれですよね.
でも,ロバストネスの観点から言うと,
もいかにも脆弱なのです.
ちなみに,タワマンレベルの建物の地下には,
必ず緊急発電機があって,停電時も一応は
タワマンの機能が停止しないような準備は
なされています.しかし,これはあくまでも
最低限の設備です.真冬に全員があったかい
お風呂にはいれるだけのエネルギーなんて,
供給できません.
ということで,個人的な話ですが,我が家は当然
ガス給湯ですし,さらに暖房は石油です.
これ,繰り返しますが,単に遅れているから
ではありません.
石油ストーブは,最早割高だとか,そんな目先の
値段がどうだこうだで選んでいません.
少なくとも私の部屋だけは,ファンヒーターでも
ない普通のストーブです.停電時も問題ないやつ
を組み合わせて使っているのがポイントです.
ことエネルギー供給に対しては,
様々なシステムを組み合わせて使っていた方が
トータルとして安心だし合理的だと考えているのです.
考えてみれば,私が
「現行の原発の運用に前向き」なのも,
「EV車に批判的なのも」
同じ感覚,エネルギー供給に対するロバストネス
が低下してしまうことに対する杞憂が主です.
ということで,「エネルギーはロバストネス」
に着目して「ミックスして使うべき」という観点,個人的には一貫してるのだなと,
自分事ながら再認識しました.
いかがでしょうか?
19号台風を思い出します(1991年9月27日)。第2枕崎台風と名が付いても良いようなコースで東北の林檎にも大被害を与えた台風です。
当時13階建ての4階に住んでいて,南からゴ-という地響きと共に風が押し寄せ(広島市の瞬間最大風速は約59m),建物に当たってゆさゆさと揺らし(本当です),生きた心地がしませんでした。翌朝になると窓ガラスの表面に何やら白い結晶が(塩),,, 雨じゃなくて瀬戸内海の塩水が降っていました。
この塩害で停電が3~4日続きました。直ぐに水が使えなくなり,電気と水のない生活,というのを数日間経験しました。夕食はロウソクの明かりで;;
風呂の水を使い切った後は,トイレ用の水を地上から運んだのですが,4階まで20kgを担ぎ上げるのは,今では無理です。8階以上に住んでいる方達は逃げ出されたんじゃなかったかと。
普通のマンションでこれですから,同じような台風が来たら(中電はその時に塩害対策をしましたが)・・・ どうなるのでしょう。広島市にもタワマンが増えています。