「シナの強権体制について」中国政治専科の加茂慶応大学教授の文献より。
2012年、共産党総書記に就任した習近平(68才)は、来年の党大会での3期目の続投を強く願っている。2050年には、世界一の「強国・強軍」となり、全てにおいて米国を追い越す国になるため、その前段階として2035年までに、「社会主義の現代化」と「軍隊の現代化」を達成するとしている。2035年には習近平は82才、彼が敬愛する毛沢東は1976年に82才で亡くなっている。
しかし、内外情勢を見ると、「これまでの経済成長を維持する事は難しいと、指導部は自覚している。それでも人々は、共産党一党独裁を中国に相応しい統治モデルだと支持するのか、指導部の不安は深い」と指摘。習は、社会は「量より質」を求める「新しい発展段階」にあるとして、社会・経済格差の是正を目指す「共同富裕」を強調し始め、さらに愛国主義を強めた歴史教育を国民に強いている。習は、経済と社会の安定を最優先課題として、香港や少数民族を抑圧し、南シナ海や台湾問題で対外的に強い行動を取るのは「大国としての自信からではなく、一党支配の維持への不安」からで、2035年の時点でも、それは解消されないだろう。(終り)
習は、党が30年余掛けて確立した「集団指導体制」という統治モデルを、わずか5年で「習のための集権体制」に移行しました。これにより経済や統治音痴の習体制は行き詰まり、習の顔色ばかり窺う習指導部の指導力の欠如もあって、コロナ以後のシナの経済や民衆の支持は、停滞・後退を始めたという処でしょう。
一例を上げれば、シナ封じ込めの日米豪印のクワッドが形になり、米英豪の連携が見える中、付け焼刃の包囲網突破口として、慌てて加入申請をした「TPP」など。それに触発されて台湾がTPP加入を正式に申請する事で逆に、シナ包囲網を強固なものにしてしまいました。TPP加入要件としては、全加入国の承認が必要ですし、自由貿易の為の関税の撤廃が、今のシナに出来る訳がありません。
シナの無駄な足掻きにより、TPPの米国参加が促進され、台湾がTPP加入すれば国際的な地位が上がり、シナの台湾併合作戦は、益々、難しくなります。習の目論見は全て裏目になるという流れですね。