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ベネズエラのハイパーインフレ
3月14日、ベネズエラの国会は2月の物価上昇率が年率229万5981%だったと発表しました。
229万%といえば一年で物価が2万倍になるということです。無茶苦茶です。
国際通貨基金はベネズエラのインフレ率は今年中に1000万%に達すると予測。商店では日に何度も商品価格が上がるという凄まじさです。商店では、価格のシールを日に三、四回貼り替えたり、中には余りに価格変動が激し過ぎる為、価格のパネルを空欄にしたところもあるようです。お客も買おうか迷っているうちに値段が上がったとか、まるで漫画のような光景が現実になっています。
ベネズエラは、1999年に大統領となったウゴ・チャベス氏の選挙と1998年以降のベネズエラの政権の政策による社会主義革命、いわゆるボリバル革命が行われてきました。
けれども、革命が始まってから16年経過した今、2013年にチャベス氏が死去した後を継いだニコラス・マドゥロ大統領の政権下で国の経済は完全に退廃し、ハイパーインフレが続いています。
2016年には、当時ベネズエラの通貨は2、5、10、20、50、100ボリバルが流通していたんですけれども、高騰する商品価格に追い付かず、小額紙幣では物が買えなくなって使用されなくなりました。
ハイパーインフレとは、定義の一つとして、一年間で1万3000%以上の物価上昇がある場合と言われています。
前にも書きましたが、1本100円の大根が、一年後に1万3000円になれば、ハイパーインフレです。インフレとは「需要>供給」であり、欲しい物が品薄で買えない状態だから、物の価値が上がり値段が高くなる。
日本のように流通システムが完備して、国内生産量が半端でない国は、100円の大根が一時200円になる事はあっても、市場がすぐに安定して、値段はいずれ全国均一に戻ります。
ベネズエラの場合は、流通システムが無いに等しく、もともと国内生産量も低いので、政変などで輸入が止まれば、すぐに物不足となり、簡単にインフレに突入するのです。
逆に、デフレとは「需要<供給」であり、市場に物があふれて必要以上には売れない状態だから、売りさばくには、物の値段を下げるしかない。その物を作っている会社は作っても儲からないから生産量を下げて、社員の給与を下げるか、社員のリストラをする。これが、今の日本のデフレ状況です。
それにしても、年率229万%とは、大変なハイパーインフレです。経済が全く分かっていないから、高額紙幣の増刷なんて小手先の対応をするのでしょうが、本来なら国の権限で、債権を発行して隣国などから必要な物資を大量に購入し、運転手と輸送トラックと監査員のチームを大至急大量に作って、地方に無償で配れば良いのです。
ここで、援助物資を有償にしたりすると、物資は闇市に廻ります。全て国の負担で無料配布すれば、普通なら半年でインフレ騒動は収まるはず。少し待てば、食料も生活用品もタダで手に入るという宣伝を、マスコミを使って同時進行で流せば、強盗も暴動も自然に収まりますよ。勝負は、如何に早く対応できるかでしょう。
基本は社会主義共和国で、かなりの石油産油国なんですから、政府さえしっかりしていれば、サウジアラビアのような無税国家にも成り得るのです。どこでもそうですが、阿保がトップに立つと、国は簡単に滅びます。
お久しぶりです.
ベネズエラのハイパーインフレ.しょうもないことを聞きますが,これって,このインフレに見合っただけの高額紙幣がちゃんと,遅れずに,印刷・発行されているのでしょうか.政府側(あるいは同等の通貨発行機関)が通貨発行を絞れば,それなりにインフレも鈍化するような気もするのですが・・・.
ま,そんなことしたら,いわゆる「藩札」みたいに,非合法の通貨が乱発されちゃうのかも知れません.とかいう,妄想はさておき.
私は若いころに,中米のとある国に住んでいましたが,ベネズエラは別格扱いで豊かな,いわゆる羨望の的でした.一方で最悪とされていたのが,麻薬犯罪組織にやりたい放題やられていた,お隣コロンビアでしたね.それがあっという間に最低の国に堕ちてしまったのです.個人的にも,かなり感慨深いです.
ちなみに,そのコロンビアはその後麻薬組織をそれなりに追い詰めて,最近は随分と良くなったと聞いております.ただし,その結果麻薬組織はメキシコにアジトを移して猛威を振るっている.私はかつて,メキシコをバックパックで自由にのんきに旅行したものですが,それも今日では叶わないらしい.これまた,悲しい感慨に浸っています.
ついでに言うと,トランプ氏がこだわる国境の壁も,実際にはメキシコの麻薬問題が大きく影響しているのでしょう.
更にちなみに,あの時代にあの地域で圧倒的な貧困国だったのが,「自由・平等・博愛」のフランス領(旧)のハイチで,これは今なお同じですね.「さすがおフランス!」とだけ言っておきましょう.
ということで,チャベス・ベネズエラ.こうなったそもそもの原因は,どこかの国みたいに露骨に反米をやった結果です.単純に,それだけ.
ちなみに,中南米における米国は,アジアで見る米国よりも露骨に乱暴で横暴です.でも,だからといって,幼稚に騒いでちゃぶ台ひっくり返してもろくなことがない,といういい例です.
長年にわたって,より明白に米国と対立姿勢取ってきたキューバでさえ,こんな幼稚な反米はしておりませんし,より安定しています.
つまりチャベスは,地政学的な状況だとか東西連戦構造の中で,やむを得ず,詰め将棋的に反米になったわけじゃなくって,「しなくてもいいのに」わざわざ米国に盾突いて,結果この体たらく.ホント,トップがバカだと,国だってあっという間に亡ぶものなのですよね.
さてさて,東北アジアにおいてもこの路線を中実に突き進む国があります.ま,我々日本人から見たら,こちらの方がよっぽど気になるわけですが.
一体全体どうなるのか? 言葉が悪いですが,「行くところまで行ったらどうですか?」と,正直楽しみにしている黒い心を・・・,私も持っています.
なぜって? そりゃ,「ストーカー被害者として,そう思う心があってもおかしくない」ですからね.