食料自給率問題で唯一生産量が必要量の9割を超えているお米。「日本はお米さえあればなんとかなる」と思っている諸君~。取合えず、日本のお米農家の現状を探ってみると、日本の食料安全保障の危うさが明確に表れてきます。
資材高が経営に打撃 稲作、酪農で深刻 農中総研試算 / 日本農業新聞 (agrinews.co.jp) 2022‐7‐21
ウクライナ危機などで肥料や飼料の価格が高騰する中、農家経営が打撃を受け、品目や規模によっては赤字も見込まれることが農林中金総合研究所の推計で分かった。稲作の個人経営は米価下落や肥料高騰の影響で、2023年には経営規模5ヘクタール以下で赤字になると試算。酪農も、この2年で収支が悪化していた。20日に開いたフォーラムで公表した。(後略)』
経営規模5ha以下は赤字なら、1haが100mx100mですから、5haは5万㎡(約15,150坪)。広島市民球場の面積は12,710㎡ですから、市民球場の約4倍以上の面積が無いと採算が取れないという事です。
そこまで大規模な稲作をやっていても、赤字になってしまうのは、米価が下落続きで、逆に肥料を始めとする生産資材が高騰するためです。
ちなみに、5~10ヘクタール農家にしても、黒字額は13万円程。市民球場の5倍10倍の面積で米を生産しても、農機具のローン等で所得は「ほぼ無い」に等しいのです。このまま推移すれば、米農家は全て廃業ですな。
それなのに、農業関連の補助金や交付金は、申請書類がとても多く難しいので、高齢者は手続きが出来ないし、出来たとしても支給額はスズメの涙↓
農業でもらえる補助金12選|探し方から申請時の注意点まで徹底解説 (no-chi.com)
*「畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)」とは、畑作物について外国との間に生産条件の違いで価格差にある場合に、不利な部分を補填してくれるものです。数量払と面積払があります。
*「米・畑作物の収入減少影響緩和交付金(ナラシ対策)」とは、当年産の販売収入の合計が標準収入を下回った場合に、その差額の9割を補填してくれるものです。
日本のお米を守るためには、今すぐに政府の緊急支援が必要です。政府の支援が無い場合、日本からコメ農家と酪農が消えると思いますが、平口さんなら、どうするかな?
こうなった原因の1つは、日本が未だにグローバル経済から脱極出来ないからです。「日本で生産するより、海外から輸入した方が安い」という観点だけで、どれ程の基幹産業・企業や生産者が潰れていったか。
お米などの日本の食生活や食文化を守るためには、政府が今以上に、お米生産農家に収穫量に応じて補助金を出し、「お米の専業農家でも生活が出来る体制」を作らなくてはなりません。
財源は、政府が「農業救済国債」を、必要な分だけ発行すれば良いのです。国民負担はゼロではなく、より安いお米が安定的に買えるのでプラスになります。余ったお米は輸出するか、米粉に加工したり、畜産飼料に使えばOK。古米にしての備蓄は最小限で済みます。
政府が国債発行して、それを日銀が買い取れば、お金が生まれる事は何度も書いた通りです。まだ、この理屈が理解出来ていない政治家が多いのが唯一のネックですよね。岸田さん。