財政のお話-09

日本の財政議論は再建派 vs. MMT派の対立に歪められている | ZUU online 会田 卓司 岡三証券 チーフエコノミスト【抜粋】

国の債務は完全に返済することはなく、永続的に借り換えされ、残高は維持されていくことは、MMTとはまったく関係なく、グローバル・スタンダードの財政運営方法である。 日本以外の先進国の国の予算の歳出には償還費は計上されていない。

日本の一般会計歳出予算 赤枠が国債を返済する費用
アメリカの歳出予算 国債の返済予算などありません

政府は必要分の国債を日銀に送り、日銀は、国債分の金額を政府が保証する信用通貨として政府に預け、それが政府の予算となります。最近その「国債を、無利子・無期限にしたらどうか」「永久国債を検討したら」等という意見が、頻繁に聞かれます。

無利子無期限の国債を日銀に保有させることは、市場に成長通貨を供給し停滞する日本経済を復活させる手段である。 実際、日本銀行は大量の国債を保有しており、その利子は日銀納付金として国庫に返している。 さらに、借換債を発行しいくらでも繰り延べできるから事実上無利子・無期限の国債を持っていることと同じである

つまりこの置き換えによって実際は何も変わることはない。しかし、変わるのは国民の意識だ。もうこれは国の借金ではなくなったと国民が考えるようになったら日本人に希望を与えるのは間違いない

日本以外の世界中の国々では、基本的に「無利子・無期限国債」「永久国債」の考え方は浸透しています。「自国の国債が、国民の借金だ」という与太話を信じているのは日本人だけですから。

国債は国の負債ではあるが、国民の資産であり、「政府の過度な支出が景気過熱やインフレ高騰につながらない限り悪いものではない」という考え方が正しい。

財務省でも、60年償還ルールが異常であることは認識されているようだ。 一昨年の報道によれば、2019年9月時点の財務省内では、60年償還ルールを廃止し、過去の借金はすべて特別会計で借換債を発行して返済のやりくりをして、債務償還費を一般会計から外すことができるよう、麻生財務相の主導で提起し、通常国会に財政法の改正法案を提出することが検討されていたようだ。

この中で、特別会計というものが出てきました。 新聞などで107兆円と言っているのは一般会計(資料は約1,000ページで、他に説明資料付)だけで、国家予算には他に「特別会計」(同じく資料1,000ページ分ですが説明資料無し)と「政府関係予算」(資料は100ページ程で説明資料無し)いうものがあります

この予算は、一般会計と重複する箇所もありますが、概略で一般会計予算の2倍あります。日本政府の実質予算は300兆円以上なのですが、誰もその事を言いません。この辺りのカラクリも、また後日に。

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