財政のお話-06 日本の凄さ

>しつこいですが,それでも理系脳の私,そしておそらくそれなりに真面目に生きている私は,「金とサービスのつり合い論」や「公平性」に対する信認を投げ捨てる勇気がありません.それが国家であろうとも,勝手に借金していっていいというのはどこか気分が悪いのです.

成程、面白いです。実は私も「理論根拠絶対の理系脳」ですから、「政府は無尽蔵に金を作り出せる」って処を理解するのに一番時間が掛かりました。そして、その理解出来ない原因は「金本位制の呪縛」であった事が分かり、その後は、他の人に説明できる自信を得たのです。

昔、通貨として使われてものは、大雑把に言えば「金貨・銀貨・銅貨」です。それらは、こなさんが言われるように、「物やサービスの対価」として流通しました。

これは各地域での「金銀銅などの産出量・価値観の違いなど」によって価格の比率が違っていましたが、流通地域が拡大していくごとに平均化され、部族から国という概念に変化できた所から大きな波となり、貨幣経済を発展させていきます。

この時点の世の中の流通形態が「金本位制」の始まりと言えます。金銀銅などの価値のあるもの(奴隷・食料等も含む)をいかに沢山持っているか、手に入れているかで国力が決まってきますし、部下の給料も買物も、金銀銅他で支払うのが当たり前になりました。

時間のある方は、以下のブログを読んで、理解を深めて下さい。

金本位制から通貨への変遷!!為替の変動相場制までの流れ (mri.or.jp)

金本位制は1816年にイギリスで始まりました。1844年にイングランド銀行が金と交換可能なポンドを兌換紙幣として発行し、19世紀末頃にロンドンを中心とした国際金本位制=ポンド体制として確立しました。

その当時、国で独自に発行された紙幣は、自国の金保有量の制約の中でしか使えない「兌換紙幣: 金(きん)と交換できる紙幣」でしたが、1930年の世界大恐慌で世界的な金融不安が起きて、日本を含む各国が金本位制から離脱。(歴史を相当に端折って説明してます) 

通貨制度は金本位制から、中央銀行(例えば日銀など)の管理下で紙幣が発行される「管理通貨制度」に移行し、紙幣を金(きん)に代えることができない「不換紙幣」として発行されました。(紙幣発行量に金の保有量の制約はなく、中央銀行の保有する資産を根拠として発行されるもの)

そして結論。 中央銀行(日銀)の保有する資産根拠の大きな柱が、国家としての「信用」です。 「不換紙幣」は国家の信用があって初めて成り立つお金。 

不換紙幣は、国家の信用がなくなった際には、簡単に紙切れになってしまいますが、日本国政府が、自国民や海外からの信用を失わない限り、通貨発行を無尽蔵に出来るようになったのです。

財務省は、その事実を国民から隠していたのですが、海外の格付け会社が、あまりにも意図的に日本経済を格下扱いするので、格付け会社に日本の実質経済を意見書として送りました。財務省はHPに、それを誇らしげに掲示した事で、通貨発行の真実が公になってしまったのです。

    ↓

外国格付け会社宛意見書要旨 : 財務省 (mof.go.jp) (一部抜粋)

1) 日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない

上記の意味は、『日本が日本円で発行した国債は、債務不履行(財政破綻して借金が払えなくなること)はないという意味』です。

・ 日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高

上記の意味は、 『日本は世界一の財政黒字国で、世界中に一番お金を貸している国(一番貸している国はアメリカ)。しかも、日本政府が海外に保有する資産も世界一』だという意味です。

財務省は、マスゴミを利用して、「これ以上、国の借金(国債)を増やしたら、財政破綻する。もう日本は駄目だ」と、国民に大嘘を言っていたのです。皆さんは、もっと日本人に生れた事を誇りに思って下さい。

じゃあ、何で財務省は、こんな事をするのか? それは次回で解明していきます。

財政のお話-06 日本の凄さ” への1件のコメント

  1. 「政府は無尽蔵に金(国の通貨)を作り出せる」というのは「金本位制」を取り止めれば当然そうなり、その暴走を抑えるためのプライマリーバランス(の均衡)が必要とされてきたと思っていたのですが、違うでしょうか。
    MMTも
    https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20190625/se1/00m/020/047000c
    上記の「MMTの財政観」を見ると、「民間に供給されたマネーをうまく回すこと(配分すること)が出来るか」、「実需以上にマネー供給された分、結局は後の増税(徴税)でバランスを取らないといけないのではないか」など考えてしまうのですが、それらの心配はないのでしょうか。